「ゲームギアミクロ ブルー」全収録タイトルレビュー –

 セガより10月6日に発売となる「ゲームギアミクロ」の4種類の中で、「ブルー」は主にアクション要素の強いゲームを4タイトル収録している。「ソニック&テイルス」、「ガンスターヒーローズ」、「シルヴァンテイル」、「ばくばくアニマル」だ。セガロゴの色をイメージさせる本体カラーの青と、当時のゲームギアのラインナップを象徴するアクションを中心とした内容は、ある意味セガファン必携のバリエーションといっていいかもしれない。

「ゲームギアミクロ ブルー」のパッケージのサンプルと本体

 このたびこの「ゲームギアミクロ ブルー」のレビューを担当することとなったわけだが、実は発売当時の筆者はゲームギアのユーザーではなかったのだ。あの頃は、セガハードの専門誌の編集部にアルバイトで在籍していて、そのタイミングでゲームギアを触る機会もあったわけだが、解像度が粗く映像がぼんやりとしていて、残像も目立ったあの液晶画面に馴染めず、セガファンを公言していたにも関わらず本体購入を見送ってしまった“非国民”であったことを、ここに告白しておきたい。

 そんなゲームギアユーザーではなかった筆者が、改めてこのゲームギアミクロを触って驚かされたのは、その画面である。小さいことはもちろんなのだが、液晶画面のドットマトリクスが非常に細かく、目をこらして見てもドット同士の隙間目立たない。描画されたグラフィックスが、当時のゲーム情報誌で見たようなにじみのない画面に見え、残像もほとんどないのである。前述の通り、当時筆者がゲームギア購入を見送ったのは、液晶画面の粗さが理由であり、その部分に関してゲームギアミクロは完全に克服していて、同時にこの30年の液晶の大きな進化も感じられた。

写真ではなかなか伝わらないが、画面の美しさはピカイチで、残像も目立たない

 1.15インチ、実寸で縦18mm×横23.5mmという画面サイズは、小さいというのは間違いなく、そういう意味で筆者も含め、ゲームギア世代の何割かが該当するであろう“老眼”のプレイヤーには、裸眼で見るのはちょっと厳しいかもしれない。ただ上記の通り液晶が綺麗なので、対策さえすれば、小さな文字も見えるのが嬉しい。このブルーに収録された「シルヴァンテイル」も、特典の「ビッグウィンドーミクロ」を使わずとも、メッセージはちゃんと読めたのでご安心を。

画面は500円玉で隠れてしまうほど

手元にあったドリームキャストのビジュアルメモリとの比較。本体の大きさはほぼ同じだが、画面はゲームギアミクロのほうが小さい

 さてこのブルーの収録タイトルだが、冒頭でも述べた通り、アクションゲームを中心とした4タイトルのラインナップとなる。

ゲームギアで独自に進化したソニックシリーズ「ソニック&テイルス」

 「ソニック」シリーズでも、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のタイトルを冠したゲームギア版は「ブラック」に収録されていて、こちらは独自に作られたオリジナルのソニックシリーズである。上下左右にスクロールするステージを駆け抜け、リングを取りながらゴールを目指すというゲームシステムを継承しつつ、ステージ構成や一部のアイテムは本作オリジナルのものとなっている。メガドライブ版ほどのスピード感はないものの、ループや螺旋状の足場、スプリングなど伝統のギミックも健在で、さらにメガドライブで「ソニック・ザ・ヘッジホッグCD」が発売された1993年のタイトルであり、スピンダッシュなどのシステムを導入し、遊びやすくなっているのも大きなポイントだ。

 また本作は、ゲームギアで初めてテイルスを使えるようになった。操作はソニックと同じだが、方向キー+上で「ヘリテイル」を使用し、一定時間飛行することが可能だ。画面外の空中にあるリングを探すなど、ステージの探索にも向いているが、テイルスはカオスエメラルドのあるスペシャルステージには行けないので、真のエンディングを迎えることができない。コンティニューが最初から3回できるという利点もあるので、彼でステージ探索してから、スペシャルステージにも行けるソニックで挑むというのが、ひとつの攻略手段になるかと思う。なおテイルスのヘリテイル操作に準拠し、ソニックにも立った状態でダッシュができる「ストライクダッシュ」が追加されている。

 携帯ゲーム機準拠でデザインされたソニックなので、ゲームギアミクロでプレイするのも特別問題はなかった。ステートセーブやゾーンセレクト(タイトル画面で方向キーを↑↑↓↓と入力し、STARTボタンを押す ※ゲームギア版とは入力方法が異なる)を使えば、エンディングも夢ではないだろう。またサウンドテスト(タイトル画面で方向キーを↓↓↑↑と入力し、STARTボタンを押す ※こちらもゲームギア版とは入力方法が異なる)もあるのでそちらもお試しを。

ハードの限界に挑んだアクションを現代の技術で最適化「ガンスターヒーローズ」

 メガドライブファンにはおなじみ、トレジャーが手がけた傑作アクション「ガンスターヒーローズ」のゲームギア版である。ゲームギア版の開発は当時からエムツーが担当していて、このゲームギアミクロではエムツー自らが移植を手がける形となった。

 2つの武器を切り替えながら敵を倒して進んでいく体力制のアクションシューティングだが、投げやスライディング、ジャンプアタックなど、シチュエーションによって様々なアクションを行なえるのもポイントだ。戦略性の高いアクションや、派手なエフェクトと演出、そして多関節で動くボスキャラクターなど、総合的に高い完成度を見せ、硬派なメガドライブユーザーを喜ばせた。

 そんなメガドライブ版をゲームギアに移植した本作は、ハード性能の差により、完全移植は叶わず、ハードに合わせたアレンジ移植版として1995年に発売された。1人プレイモード専用となって、2人のプレイヤーキャラのレッドとブルーのうち、後者は残念ながらデモ画面にしか登場していない。ステージ構成などにも変更はあるが、こちらは上手くアレンジを施していて、ボスもハードの機能をギリギリまで駆使して再現している。

 さらにこのゲームギアミクロに収録された本作は、現代の技術によってちらつきを軽減した「完全版」とも言える内容となっている。これに関しては、ゲームギア版同等のちらつきがある表現に切り替える裏技(タイトル選択後の説明画面で方向キー↓を押しながら決定)もあるので、あえてそちらでプレイしてみるのもいいかもしれない。またイベントに出展された映像のみが展開するデモバージョンを見るモード(説明画面で方向キー↑を押しながら決定)もあり、これも必見だ。

 アクションが豊富で、エフェクトなども派手なので、画面の情報量が多く、ゲームギアミクロでプレイすると少し見づらい印象も受けるが、ゲームはさすがの面白さで、ステートセーブなども駆使してぜひやり込んでほしいと思った。

変身能力を駆使して戦う、名作の誉れ高いアクションRPG「シルヴァンテイル」

 「シード」と呼ばれる宝物を手に入れた少年ゼッツが、大樹の声に導かれ、緑あふれる「シルヴァラント」の世界を救う旅に出る、ゲームギアオリジナルのアクションRPG。当時人気のゲームデザインだった見下ろしタイプのゲーム画面を採用し、通常は剣のように使えるシードを駆使して戦っていくゲームが展開する。

 ゲームのキモとなっているのが、シードの力を使った変身能力だ。要所で入手できる「石版」によって、ゼッツは獣人の姿へと変身できるようになり、それらの個性的な能力を使いこなして仕掛けをクリアしていくのである。防御に優れ体を重くする「タートル」、爪で岩石などを破壊する「モール」、小さくなって狭いところを素早く移動できる「マウス」、水中を泳げるようになる「マーマン」、飛行ができる「バード」の5種があり、さらに「しずく」を手に入れると、これらの変身形態にさらなる力を得られるようになる。

 実のところ筆者はタイトルぐらいしか知らなかった存在であったが、実際にプレイしてみると、本作がゲームギアユーザーの間で名作と語られるゆえんがわかった。軽快な操作に加えて、複雑な要素を抑えた携帯ゲーム機向けのゲームデザイン、変身能力を使った謎解き、そして耳馴染みのいいサウンドなど、これまで他のハードに移植例がないのが不思議なほど完成度が高いことを、このゲームギアミクロのプレイでも実感することができた。

 ゲーム中はシルヴァラントの人々との会話が攻略のヒントになっていることもあり、ゲームギアミクロでは少々しんどいかもしれないが、文字自体が読みづらいわけではないので、じっくり遊んでその完成度の高さを堪能してみてほしい。

動物の頭がエサを食べるシュールなアクションパズル「ばくばくアニマル 世界飼育係選手権」

 元々はアーケードでリリースされ、後にセガサターンとゲームギア、PCなどに移植された落ちものアクションパズルだ。CGレンダリングされた動物の頭部にインパクトがあり、さらにゲーム情報誌に連載されたコミックにそのタイトルがインスパイアされたという印象も強く、ネタ的に覚えている人も多いのではなかろうか。

 画面上から落ちてくるブロックは、「イヌ」、「パンダ」、「ウサギ」、「サル」の動物と、それらが食べるエサである「ホネ」、「ササ」、「ニンジン」、「バナナ」のいずれか2個が組み合わさったもので、動物ブロックを好物のエサブロックに隣接させると、動物がそれらを食べて消えるという、独自のルールを採用している。また一定のタイミングで落ちてきて、接触したブロックを全て消すというお助けアイテム「コイン」も存在している。

 ブロックのときは可愛いドット絵だった動物が、エサを食べるときはCGレンダリングの頭部に変わり、ブロックをバクバクと食べていく演出は見た目的にかなりシュールだが、落ちものパズルとしては佳作の部類で、このブルーに収録されたタイトルの中でも一番取っつきやすく遊びやすいかと思う。

 対戦をせずにブロックを消していくだけのモードが元々存在せず、さらにはゲームギアミクロに対戦機能がないので、コンピュータとのバトルがメインとなってしまうのが残念だが、それでも十分に楽しめる内容と言える。ステートセーブもできるが、4文字のパスワードでコンティニューができるのも手軽でいい感じだ。

 冒頭でも述べたように、今回発売されるゲームギアミクロの中でアクション寄りのラインナップでありながらも、実際に触ってみると、全体的な完成度のバランスも優れていように感じられた。どのタイトルもエンディングを見るようなプレイにはそれなりの時間を要するが、そこはステートセーブを上手く使って進めてもらえればと思う。個人的に推したいのは「シルヴァンテイル」。移植の機会がなく、筆者と同様このゲームギアミクロで初めてプレイするという人もいるかと思う。隠れた名作の存在をこの機会に味わっていただき、その感想を共有したいと思った。

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