[Future of Storytelling:これからのエンタメ予報]Vol.09 未来のエンタメ需要は“キモチ”コンテンツ – PRONEWS



txt:VISIONGRAPH Inc. 構成:編集部

エンタメ要素を感じられるメンタルケアサービス

一向に終息の兆しが見えない新型コロナウイルス感染症の恐怖により、私たちはかつてないストレス社会を生きていると言えます。これまでであれば、生活の中でストレスを感じたとしても、外食やカラオケ、パーティーや旅行などそれぞれの好きな方法でストレス解消ができました。しかし、そのどれもが難しくなってしまった今、我々は新たなストレスマネジメントの方法を身に着ける必要があります。

そんな不安社会を生き抜くために、今注目されているのがメンタルヘルスケアの領域です。メンタルヘルスと聞くと心療内科でのカウンセリングを思い浮かべますが、今ではもっと気軽に、誰もが生活の中に取り入れられるようなサービスが多く登場しています。

今回はVISIONGRAPHのデータベースから、特にエンタメ要素を感じられるメンタルケアサービスをピックアップします。生体データとVR技術という最先端のテクノロジーを組み合わせた映像プログラムから、ラジオのノイズを集めた音声コンテンツまで、今後ますます重要となるであろうメンタルヘルスケア市場の可能性をご紹介します。

未来予報01:不安な気持ちを解消するVR映像プログラム

Healiumは、専用VRゴーグルのセンサーでユーザーの脳派と心拍数を測定する事で、今の気分に合った映像と音楽を自動的に選択し、見ているだけで癒しを得られる映像プログラム。短時間の使用でも、不安な気持ちを軽減し、効果的な癒し効果を得られる事が脳波の計測で実証されています。

もしかしたら未来では、うつ病に悩む人が向精神薬を服用する代わりに、このVRゴーグルを着用するようになるかもしれません。自宅にいながら別の空間にいる体験ができるXR機器とその関連サービスは、コロナ禍の外出できない状況での気分転換の方法として、いま再び注目を集めています。

未来予報02:ゲームで心の状態を安定させるスマホの中のAIカウンセラー

LiteSpriteは、医学的なアプローチにより、プレイする事で心の状態を安定させるスマホゲーム。ゲーム内のキャラクターを通じて、瞑想プログラムやカウンセリングを受ける事ができ、プレイヤーの精神状態を健全に保つ事を目的として開発されています。

未来では、皆それぞれが自分のスマホの中にAIカウンセラーを持ち、最適化されたゲームをプレイして自身の不安を和らげる生活が当たり前になるかもしれません。このようなゲームは、発見されにくい子供の精神障害を早期発見したり、未然に防ぐ事に活用できそうです。「スマホゲームのやりすぎは成長期の子供には悪影響」というイメージを逆転させる可能性を秘めています。

未来予報03:クリエイターと医療業界のコラボで生まれるメンタルヘルスケア映像作品


画像は企業Webサイトから引用

Moodnotesは、気分の浮き沈みを記録する事で自分の思考プロセスを理解し、精神状態を安定させる効果のあるメンタルヒーリングアプリ。認知行動療法に基づいて、臨床医や心理学者と共に開発されています。

スマートウォッチを活用したUX設計やアプリ画面上でのアニメーションなど、誰もが気軽に継続して使用できるようにエンタメ要素を取り入れてデザインされています。このようなアプリ上で、医療業界とエンタメのクリエイターのコラボが実現すれば新たな市場として面白くなりそうです。未来では、有名映像クリエイターが医師の監修でメンタルヘルスケア効果のある映像作品を発表すると予報します。

未来予報04:就寝前にはノイズを聞いてリラックス

Radio Tinnitusは、耳鳴りのような電子音を聞く事で脳をリラックスさせるラジオチャンネル。特定の耳鳴りのような音を聞く事で、脳は徐々に頭の中でノイズの優先順位を下げ、最終的には安心感を得られるという研究結果から生まれたサービスです。

就寝時に聞くのが最も効果的とされているので、就寝前のリラックスタイムに聞く音楽をこのラジオノイズに変えてみてはいかがでしょうか?世の中には様々なヒーリングミュージックが存在しますが、このテクノロジーを応用してちょっと変わったアプローチの楽曲が生まれるかもしれません。

まとめ

このような先進的なサービスを見ていくと、未来のエンタメとは単なるストレス解消のために存在するのではなく、人々の気持ちに作用し癒しを与えるコンテンツの需要が高まっていくと想像できます。テクノロジーの発展により、生体データを計測し、効果を測定しながら新たなサービスの開発ができるようになったこともあり、これからのコンテンツ作りには、より実用的な視点が必要となっていくでしょう。

例えば新作映画の公開時には、観賞時に感じるストレスレベルや脳波の状態が数値化され、表記が義務付けられるようになるかもしれません。観賞して楽しむものから癒されるものへ、時代と共に変化する未来のエンタメ超大作の誕生を期待しています。

VISIONGRAPH Inc.のnoteでは、歴代のSXSWに関してのレポートをmagazine形式でまとめて公開中です。ぜひそちらもご覧ください。




VISIONGRAPH Inc.
イノベーションリサーチに基づいて未来像 {HOPE} をつくる専門会社。様々な領域の未来を予報します。 SXSW Japan Officeも担っています。著書『10年後の働き方』発売中!

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