『ぷよぷよ』MGRが語る フィジカルトレーニングの重要性 Red Bull 5G 2021 グッドルーザー

0
『ぷよぷよ』MGRが語る フィジカルトレーニングの重要性 Red Bull 5G 2021 グッドルーザー

対戦相手なくして試合は成り立たない。輝かしい結果を残した”Winner(ウィナー)”とともに、真剣勝負を演じた”Good Loser(グッドルーザー)”もまた讃えられるべき存在だ。

この世に敗北を知らぬ者などいない。我々挑戦者にとって重要なことは、“負け試合から何を学び取るか”なのである。

本記事では、2021年11月27日(土)にGメッセ群馬で開催されるRed Bull 5G 2021 FINALS(決勝戦)への進出を懸けた、西代表決定戦(PUZZLE部門・『ぷよぷよ』代表)にて、惜しくも敗退したMGR(エムジーアール)選手にインタビューを実施。

Red Bull 5G 2021 のPUZZLE部門(タイトルは『ぷよぷよ™テトリス®2』)【※1】にエントリーした想いや、大一番の場面で勝敗をわけたポイント、そこから導き出された今後の改善点などを自己分析してもらった。

熊本県を拠点にするeスポーツチーム”RAID Clan Kumamoto”に所属するMGR。1994年12月21日生まれ。大阪府出身。

© MGR

01

◆貪欲に磨き続けた技術力を武器に

MGRは、2021年時点で『ぷよぷよ』プレイ歴13年目。しかし、プレイ歴25年を超える古豪がいまなお第一線で活躍する『ぷよぷよ』競技シーンにおいては、自身の立ち位置を「ようやく中堅からベテランに差し掛かろうという域」なのだと語る。

『ぷよぷよ』の長い歴史(シリーズ第1作は1991年発売)のなかでは、数多の戦術やテクニックが編み出されてきた。本作のプレイヤーたち――いわゆる”ぷよらー”たちは、それらを総じて”技術”と呼び、日々腕を磨き続けている。

「”技術力”を高めた者が『ぷよぷよ』を制する」……その言葉を信じ、古今東西あらゆる”技術”を身に着けようと研鑽を積んだ結果、いつしかMGRは”オールラウンダー”と評されるほどの変幻自在なスタイルを手に入れていた。

Q: Red Bull 5G 2021(PUZZLE部門・『ぷよぷよ』代表)にエントリーしようと思った理由は?

Red Bull Gaming U 2015に生徒として参加していたから

「じつは自分にとって、Red Bull 5Gは縁深い大会なんです。と言うのも、僕はRed Bull 5Gのスピンオフ企画として2015年に開催されたRed Bull Gaming U 2015【※2】に生徒として参加していたんです。

Red Bull Gaming U 2015では、プロとして活動している名だたるトッププレイヤーの方々が講師を務めていて、施設に宿泊しながら3日間『ぷよぷよ』漬けの日々を過ごしました。そこでの経験を糧に、”自分はここまで到達したんだぞ!”ということを示したくて、今回Red Bull 5G 2021にエントリーしたんです」(MGR)

Q:Red Bull 5G 2021のオンライン予選を戦い抜いた感想は?

いつも通りの実力が発揮できた

「『ぷよぷよ』の大会シーンは、これまでオフラインが主流でしたが、昨今の情勢の影響を少なからず受けたことで、オンラインでの実施も増えています。だからこそ、Red Bull 5G 2021のオンライン予選も戸惑いなく戦い抜けたのだと思います。

また、『ぷよぷよ』の大会頻度自体はそこまで減ってはいなかったので自分の試合勘も鈍っておらず、今回のオンライン予選についても、とくに印象に残る場面がないくらい順調に勝ち進むことができました」(MGR)

Q:西代表決定戦(PUZZLE部門・『ぷよぷよ』代表)の出場者の中で、とくに警戒していた選手は?

今年絶好調のlive(リベ)選手

西代表決定戦(PUZZLE部門・『ぷよぷよ』代表)出場者 <5名>
live(リベ)
MGR
akinari
しえろーる
すけぞー
「やはり、live(リベ)選手ですね。『ぷよぷよ』歴26年の大ベテランですが、2021年度はとくに脂が乗っていて、今年6月に開催された公式大会”ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON4 STAGE1“では見事優勝を果たしています。直近で結果を残している方が、下馬評通りに勝ち上がってきて、この人に土を付けるのは苦労するだろうなと思っていました」

02

◆大逆転勝利を収めるも、決定戦で待ち受けていたのは……

オンライン予選を経て、MGRを含めた5名の選手が駒を進めてきたなか、ここからFINALIST(決勝戦進出者)に選ばれるのはただひとりだ。

西代表決定戦(PUZZLE部門・『ぷよぷよ』代表)では、出場選手のうち3名がAリーグ、残りの2名がBリーグへとランダムに振りわけられ、最終的にA・Bそれぞれのリーグの勝者が西チームの代表の座をかけた決定戦に挑むこととなった。

BリーグのMGRは、akinari選手を辛くも迎え撃つことに成功。しかし、そんな全身全霊の勝負を超えた先に待ち受けていたのは、Aリーグの勝者にして今大会の優勝候補筆頭とも言うべきlive選手だった。

なお、西代表決定戦のルールは5試合先取=1セットとする、2セット先取制のルールにて実施された。

●Red Bull 5G 2021西代表決定戦(PUZZLE部門・『ぷよぷよ』代表)リザルト

▼予選Aリーグ ▼予選Bリーグ
live MGR
しえろーる akinari
すけぞー
Aリーグ勝者・選手名 決定戦の勝敗 Bリーグ勝者・選手名
live ◯ -× MGR

Q:A・Bリーグに別れて実施された1戦目、akinari選手との対戦で苦労したポイントは?

いきなりマッチポイントまで追い詰められた

「西代表決定戦(PUZZLE部門・『ぷよぷよ』代表)のなかで唯一の若手とも言えるakinari選手との試合では、早々にあと1セット取られたら負けるところまで追い詰められました。こちらが相手の情報をあまり掴めていなかったので、純粋な地力勝負となったなかで勢いに押されてしまいましたね。

ただ、こちらも大会慣れしていますので、追い込まれたときの気合の出しかたはわかっているつもりでした。そうした経験の差もあって、なんとか流れを取り戻して逆転することができました」(MGR)

Q:逆境を跳ね返すために意識しているポイントは?

周囲の雰囲気に飲まれないこと

「僕はどちらかというと”逆境に強い”と周囲から言われることが多いタイプですが、”強くなった”と表現するのが正確だと思います。高校生~大学生くらいのころは、相手が有名プレイヤーというだけで心臓はバクバク、手もブルブルという感じだったので(笑)。

逆境に立った際に気をつけていることは、会場の雰囲気に飲まれないことです。相手がどうこうというよりも、第一に周囲の環境に飲まれないよう、なるべく自分の世界に入って集中するようにしています」(MGR)

Q:集中力を研ぎ澄ませるために実践していることは?

音楽を聞く、食いだめをする

「なるべく試合直前まで音楽を聞いて心を落ち着かせることと、前日から”食いだめ”をしておくことですね。当日に食事をとると眠くなってしまうけれど、食べなければ食べないで頭が回りません。なので、前日に炭水化物などを多めにとり、大会当日はゼリー飲料のみで済ませるなどの工夫をしています。

勝つためにできることは、妥協せずにすべてやりたい。そのあたりの意識は人一倍強いほうだと思いますし、つねに試行錯誤しながらきめ細かにやっているという自負があります」(MGR)

オフラインで開催された西代表決定戦(PUZZLE部門・『ぷよぷよ』代表)にて、試合に臨むMGR選手。

オフラインで開催された西代表決定戦(PUZZLE部門・『ぷよぷよ』代表)にて、試合に臨むMGR選手。

© Red Bull Content Pool

Q:akinari選手に勝利してBリーグを突破し、迎えた決定戦。Aリーグを勝ち上がってきたlive選手との対戦で苦労したポイントは?

自分がakinari選手との試合で力を出し尽くしていた

「じつを言うと、live選手との決定戦は完璧なストレート負けというあっけない内容で……。もちろんlive選手が絶好調だったことが大きいのですが、一方で自分もakinari選手との試合で力を出し切ってしまっていたんです。

live選手との試合が始まったときから、自分の動きがちょっと怪しいかもという雰囲気はあったのですが、結局試合のペースを引き戻すきっかけも掴めることなく、悔しい結果に終わりました」(MGR)

Q:ふだんの試合で流れが悪いと感じたとき、ペースを引き戻すために意識しているポイントは?

割り切って運に任せる

「昨今の『ぷよぷよ』の大会では短期決戦【※3】のルールが多いので、相手の手の内を長々と探ったり、ペースを引き戻したり、自分の戦いかたを修正したりするのが難しいんです。

そんななかでも”やるしかない!”というときは、割り切って運に任せる選択をすることもあります。通常はこのタイミングでは使わないだろうと誰もが思うような戦術をあえて使って、相手のミスや動揺を誘うんです。

定石外の効率の悪い手で、勝算も低いやりかたにはなるのですが、それで負けたら”相手がうまかった”と思うようにしています」

Q:自分のスタイルをあえて崩すような選択をするうえで、必要だと思うことは?

可能性に目を向け、楽しむこと

「そもそも僕は、”自分のスタイル”というものにこだわりがありません。さまざまな技術を身に着けようとするのも、その裏返しのようなものなんだと思います。

たとえ、自分がいまの戦術・スタイルで満足がいく結果が出せたとしても、たぶん僕は”つぎはいまと違うスタイルで上を目指してみよう”と考えるだろうと思います。そのくらい『ぷよぷよ』は懐が深いゲームですし、そうした可能性が山ほどあるのが楽しいところなんです」(MGR)

03

◆現代の『ぷよぷよ』競技シーンにおいてフィジカルトレーニングは「必須」

“eスポーツ”という単語の定義はさておき、少なくとも競技シーンを戦うプレイヤーたちが、”スポーツ”という言葉の響きに恥じないような取り組みをストイックに続けていることはいまや疑いようもない事実である。

今大会の最大の敗因を、心・技・体のうちの”体”だとMGRが語ったように――『ぷよぷよ』競技シーンのトッププレイヤーたちにおいて、いまやフィジカルトレーニングは”当然のごとく重要なもの”として理解されているようだ。

Q:live選手との対戦で勝敗をわけたと感じるポイントは?

「live選手の試合の前に力を出し切ってしまったというのは、やはり体力の問題が大きかったのかなと。集中し続けるのには体力が必要ですから。僕もフィジカル面のトレーニングはしていた時期があったのですが、社会情勢の変化のなかでサボってしまっていて、3ヵ月前くらいにやっと再開したところだったんです」(MGR)

Q:フィジカル面を鍛えるために実践しているトレーニングは?

走り込み、ジム通い、ボルダリング、『Dance Dance Revolution』

「最低でも2日に1度くらいは、近所で走り込みをしたり、ジムに行ったりしてトレーニングをしています。あとはボルダリングや、ダンスゲームの『Dance Dance Revolution』も体力作りの一環として遊んでいます。

単調なことが嫌いで飽きっぽく、ジムでのトレーニングも長い時間は続けられないので、基本的には短期集中で終わらせるスタイルです。ボルダリングや『Dance Dance Revolution』も、少しでも楽しみながら鍛えられるようにと試行錯誤するなかで行き着きました。

とくにボルダリングは、体を使うパズルだとも捉えられてすごく楽しいんですよね。そういったところで、『ぷよぷよ』と関連性を持たせてモチベーションを維持しています」(MGR)

Q:フィジカルを鍛えることが『ぷよぷよ』をプレイするうえで重要だと思ったきっかけは?

体をゴリゴリに鍛えている強豪プレイヤーが増えてきたから

「自分も5年くらい前までは”体を鍛えることが本当に結果につながるの?”と半信半疑だったのですが、いまは必須だと考えています。実際、近年結果を残しているプレイヤーは体をゴリゴリに鍛えていることが多いんです。

『ぷよぷよ』の大会などでよく実況解説を担当するプレイヤーのmomokenさんもそうですし、同じく『ぷよぷよ』プレイヤーで数年のブランクを打ち破って最前線に戻ってきたクラウド選手もすさまじい筋肉を持っていて……。ほかにも、大会にはあまり出ない知られざる強豪みたいな方々のなかにも、体を鍛えている方が大勢いますね」(MGR)

Q:live選手の取り組みから刺激を受けた部分は?

実際のところはわからないけれど……

「正直なところ、live選手がふだんどんな取り組みをしているのかを、僕はあまり知らないのですが……機会があればぜひ知りたいですね。僕よりも5歳年上の32歳で、いまなおつぎつぎと結果を出されていますし、そうした強さをどう引き出しているのかは気になります。

しかもlive選手がおもに使用する戦術というのは、僕からすると頭に負荷のかかる難しいプレイなんですね。ふつうの人なら避けたくなるようなことを、逃げずにやって勝ちきっているように見えるんです。

26年という『ぷよぷよ』プレイ歴のみに頼らず、頭の回転の速さも限界まで引き出すためのlive選手なりのトレーニング方法が、きっとあるはずなんです」(MGR)

西代表決定戦(PUZZLE部門・『ぷよぷよ』代表)でMGR選手に勝利し、渾身のガッツポーズを見せたlive選手。

西代表決定戦(PUZZLE部門・『ぷよぷよ』代表)でMGR選手に勝利し、渾身のガッツポーズを見せたlive選手。

© Red Bull Content Pool

Q:周囲のプレイヤーが実践していることを取り入れたい、と思う原動力は?

悔しさ、勝利への執念

「いちばんの理由は、悔しさですね。僕が他人から何かを取り入れようと思うときは、だいたいが”その人に負けたとき”なんです。その人に勝つために、相手を理解するために取り入れてみる。そこで初めて、相手の強みや弱みが見えてくるものなので。

その人につぎに当たったときには、必ず勝てるように。この想いが最大のモチベーションになっています」(MGR)

Q:最後に、今後に向けた意気込みをお願いします。

これからも挑戦し続けます!

「今回のRed Bull 5G 2021もそうですが、やっぱり大舞台で優勝することがいちばんの目標なので、それを達成するまでは自分は挑戦を続けていくのかなと。

仮に納得がいく結果が得られたとしても、僕が『ぷよぷよ』をやめることは万が一にもないと思うのですが……今後も目標に向かって、これまで以上の努力を続けていきたいと思っています」(MGR)

MGRの変幻自在さは、遠回りをいとわず”技術”を磨き続け、自分のスタイルを崩すことを恐れず新たなものを取り入れ続けてきた勇気の証だ。

今後もあくまで結果を求め貪欲に挑戦し続けるMGRの飛躍に期待しつつ、彼が想いを託したlive選手も出場するRed Bull 5G 2021 FINALS(決勝戦)の勝敗の行方を見守ろう。

■□■□■□■□■□■□■□■□

ゲーミングシーンに翼をさずける!  レッドブル・エナジードリンクのAmazon公式販売ページは こちら >>

■□■□■□■□■□■□■□■□

世界中から発信される記事を毎週更新中! 『新着』記事はこちら>>
ゲームのドキュメンタリー動画も満載のRed Bull TVの視聴方法はこちら>>